想い続けていた人が選んだのは友達だった。

以前取材で会った女性の話。
 
彼女の会社の同期の友達が付き合い出したのは、
彼女がずっと好きだったYさんだった。
Yさんが選んだのは、彼女じゃなかった…。

友達は彼女の気持ちは知らないし、全然悪くないのは分かってる。
でもでも、どうしても友達のしあわせを願えないって。
 
想いを寄せていた人と、友達が付き合うことになるのは、つらいことだと思う。
しかもみんな同じ会社だったら、毎日恋人同士のふたりを見ることになるし、
冷静な気持ちでいるのは大変なこと。
 
彼女は、この友達と彼が付き合う事実が受け入れられなくて、
怒りにさえなってきてしまっていることを悩んでいた。
 
友達は悪くないって頭では分かっていても、
心の中で友達を憎んでしまう。
 
友達にしあわせになんてなってほしくない。
すぐにふられればいい。
 
そんなことさえ思ってしまう。
 
だから、
「このどろどろとしたウミのような気持ちがなくなれば、きっとふたりのことを祝福できるようになるはず…」
そう思いながら過ごすことにしたんだって。
 
でもね、私は、「祝福できるようになるまで」って思わなくていいと思う。
 
人の気持ちはそんなにきれい事で片付けられない。
 
恨む気持ちとか、憎む気持ちとかって、どうしようもないし、
この場合、そんな気持ちを持ってしまうのは、彼女だけじゃないはず。
 
すごくつらいなら、
無理して今のような仲良しの友達付き合いをする必要もないと思う。
 
ただし、これは気持ちの上でのこと。
相手を無視をするとかじゃなくて、
自分の心の中で、「こう思ってしまう自分がいる」ってあきらめること。
 
応援しようと思わなくていいってこと。

ふたりのしあわせを願わなくていいってこと。
 
だから、いっしょにいるのがつらかったら、
友達と少し距離を置いてもいいと思う。
無理していっしょに笑うことはしなくていいと思うんだ。
 
自分の中には、人を恨んだり憎んだりする
「醜い心」もあるってことを受け入れればいいんじゃないかな。
 
そういう自分もいるってことを認めなくちゃいけないんだと思う。
 
以前、この彼女と同じような恋をしている人から相談されたことがあるんだ。
 
「どうしたら友達と彼を応援できる気持ちになりますか。どうしたらふたりを許せますか」
って。
 
どうしたら…。
 
多分それは、ふたりを応援しようとか、許そうっていう気持ちがなくなった時、
そんなこと考えることさえ忘れちゃった時に、
ふたりのことを祝福できるようになるんだと思う。
って答えた。

黒い気持ちは、消そうと思っても簡単には消えないと思う。
だから無理して消そうとするんじゃなくて、
「気がついたら消えていた」を待つのが一番自然なんじゃないかって思います。

遠野まりこ(Toono Mariko) OFFICIAL

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