誰かを好きだった気持ちは、前に進む力になる

「彼と別れたあの時、私はあれから、心の中のどこかで『彼を忘れたくない』という気持ちが生きているままです」。
こんな切ないコメントをもらった。
 
>早くすっぱり忘れた方がラクなはずなのに、どうしてなんだろう?と自分でも戸惑っています。こんな気持ちになったことはありますか?
 
もう終わった恋で、自分をふった彼のことなんて、
早くすっぱり忘れた方がラクなはずなのに、
心のどこかで「彼を忘れたくない」っていう気持ち、
私も、あった。
 
特に、別れてまだ時間があんまりたっていない時は、
「忘レタイノニ、忘レタクナイ。忘レラレナイ」っていう気持ちに、
苦しんでいた。
 
今だって、時々、ものすごく鮮やかに、
終わった恋を、別れた彼を思い出すこともあるし。
 
でも、このブログでも何度か書いたけど、
時間がたっても、別にもう彼と戻りたいとも思っていないのに、
彼のことを「忘れたくない」って思うのって、
彼のことを忘れたくないんじゃなくて、

「彼のことを好きだった気持ち」を忘れたくない場合もあると思う。
 
もちろん、
「彼がまだ好き」っていう場合もあるかもしれない。
 
でも、好きな気持ちはもう消えているのに、
その人への「想い」みたいな感情が消えないのは、
まだ「好き」なんじゃなくて、
「好きだった気持ち」が忘れられないような気がする。
「好きだった気持ち」を忘れたくない場合もあると思う。
 
気持ちが離れる前は、すごく楽しくてしあわせで、
そんな中にいた時の彼への想いは、忘れられない。
 
気持ちが変わってしまって、別れを告げた彼は忘れたくても、
その前のお互いに想い合っていた時の彼は忘れたくない。
 
私はそうだった。
 
でも、そんな自分の気持ちに気がついたのは、
別れてからだいぶ時間がたってから。
 
それまでは、
「もう彼との恋は終わったから、 彼のことなんて思い出したくない」、
「早くすべてを忘れて、新しい気持ちで、新しい恋がしたい」
って思ってた。
 
でも、今は、
「無理に忘れることはないかも」って思えるようになった。
 
「彼を好きだった気持ち」は忘れなくてもいいのかなって。
 
気持ちを忘れないことが、彼を思い出すことにつながるなら、
それはそれでいいのかなって、
そう思ってます。
 
すごく好きで、大好きだった人への想いは、
そんなに簡単には消せない。
 
忘れたい、忘れようって考えているうちは、
忘れられない。
 
そう思う。
 
忘れたいとか、忘れるとか、
そういう気持ちを忘れた頃に、
終わった恋から心が解放されているような気がする。
私はそう思う。
 
誰かを好きだった気持ちは、
生きていく力、前に進む力になると思う。

遠野まりこ(Toono Mariko) OFFICIAL

作家遠野まりこ(Toono Mariko)のオフィシャルサイト。「恋は終わったあともまだこんなにせつない」(大和書房)が電子書籍でも人気。また、NFTマーケットプレイスOpenSea(オープンシー)で写真のクリプトアート作品にもチャレンジ中。誰もがNFT作品をつくったり、気軽に購入することができるようになるためには、どうすればいいか考える&日々の出来事サイトです。

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