悲しすぎる不倫。だまされた恋の行方。

不倫って、最初から相手に家庭があるって分かっていて付き合うことが多いと思うけど、
そうじゃない不倫をしてしまうこともある。
私の友達がそうだった。
 
彼がウソをついていたんだ。
結婚していないって。
それはだまされた不倫だった。
 
友達のEが、その人に出会ったのは、仕事でだった。
広告関係の仕事をしているEは、
デザイナーのMさんといっしょに仕事をした時があった。
 
仕事自体でも、そんなに会うことはなかったし、
もともとMさんは、Eの会社との仕事はほとんどなかったんだけど、
ある日Mさんから会社に電話がかかってきて、
「打ち上げしよう」って食事に誘われたんだって。
 
その後に、ふたりは付き合うようになって。
そして1年ぐらいたった時かな。夜中にEから電話がかかってきたの。
 
「彼、結婚してたの。奥さんがいたの…」って。
 
私は驚いて一瞬声が出なかった。
だって。だって…。
 
私も何度かいっしょに食事に行ったことがあるけど、
Mさんすごくいい人で、Eをだましているようになんて全然見えなかった。
 
休みの日の多くはいっしょに過ごしていたし、
Eの部屋によく泊まっていたのに。
旅行だって行ってたのに。
何なの…。
 
あることがきっかけで、
Eは他の人からMさんが結婚していることを聞いた。
 
Eは、その事実をMさんに確かめた。
そしたら、本当に結婚していた。
 
Mさんは言ったんだって。
「最初は付き合うなんて思ってなかったから、結婚のことを言わないでいたけど、会っているうちに好きになって、そしたら本当のことを言うタイミングがなかった」
って。
 
タイミングって…。
詐欺だよ。犯罪だよ…。
 
Eは泣いて、泣いて、Mさんを責めた。
当り前だ。
 
そして、私はふたりはすぐに別れるって思っていたの。
EがさっさとMさんを捨てると思った。 

でも、違った。
EはMさんとすぐには別れなかった。別れられなかったっていうのかな。
 
「憎いけど、けど、好きなの…。どうしても好きなの」
 
これが人を好きになるってことなの?
これが恋なの…?
 
だまされた不倫。
こんなひどい不倫もある。
 
そして、だまされていたって分かっても、
好きになってしまった心は、そう簡単には動かすことはできないんだ。
 
私、こんなひどいウソをついたMさんとなんて、すぐに別れた方がいいと思った。
 
でも、でも、Eの「どうしても好き」っていう気持ちも、分かったんだ。
 
私も彼に「もう好きじゃない」って言われたのに、それなのに好きだった。
「他に気になる人ができた」って言われたのに、好きだった。
悔しかったけど、好きだった。
 
あの人のことを好きだっていう気持ちが消えてくれなかった。
  
だからEの気持ち、分かるんだ。
 
こんな恋には、こんな不倫には、
どこに意味を見つけたらいいんだろう。
 
結局、EはしばらくしてMさんと別れることになったんだけど、
その時Eは、この不倫の事実を、彼の奥さんに話そうとした。
 
またそれが、Eを苦しめることになったんだけど。
 
※次の記事に続く

遠野まりこ(Toono Mariko) OFFICIAL

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