別れた彼が写っている写真が出できた。

別れた人との写真は全部捨ててきた。
別れる前の思い出でも、それは別れの時の苦しさを思い出させるから。
 

でも全部処分したはずの、別れた彼が写っている写真が出できた。
 

ふたりで撮った写真とか、彼ひとりの写真ではなく、
みんなで撮った写真。
 
ある写真を探していたら、
彼とみんなで撮った写真が何枚も出てきた。
 
どうしよう…。
 
これも捨てた方がいいのかな。
って迷った。
 
でも、みんなとの思い出の写真でもあるし。
 
うーん。
 
結局、捨てずに、元あった場所にしまいました。
 
失恋した彼との思い出はいらない。
頭の中だけでいい。
 
写真で見ると、「なつかしい」より
別れた時のあの苦しさがよみがってきて、「苦しい」気持ちになる。
 

もうすごく時間がたってる恋なのに。
 
写真の中の、彼は笑ってました。
私もはじけるように笑ってました。
 

いつか、あのみんなでの写真を
「なつかしい」って思える日がくるのかな。

遠野まりこ(Toono Mariko) OFFICIAL

作家遠野まりこ(Toono Mariko)のオフィシャルサイト。「恋は終わったあともまだこんなにせつない」(大和書房)が電子書籍でも人気。また、NFTマーケットプレイスOpenSea(オープンシー)で写真のクリプトアート作品にもチャレンジ中。誰もがNFT作品をつくったり、気軽に購入することができるようになるためには、どうすればいいか考える&日々の出来事サイトです。

0コメント

  • 1000 / 1000