彼が結婚しているなんて知らなかった…

友達に誘われて行ったレストラン。そこには何も知らない彼の奥さんがいて…。
自分がそんな状況に立ったら、あなたは奥さんに真実をつきる?
 
これは、昔連載していた小説の中のワンシーン。
 
書きながら思った。
自分だったらどうするだろうって。
 
「結婚していない」ってウソをついていた彼の
奥さんが目の前に現れて、
しあわせそうに笑っていたら、どうするだろう。
 
私だったら、彼女が彼の奥さんだって知らないふりをして、
彼のことを、彼だって分かるように話そうとするかな。
 
ずるいから。意地悪だから。
 
でも…。
実際どうだろうな。
 
小説の主人公は強くて弱い女性だから、
自分が傷つくのがこわい女性だから、
人を傷つけるのがこわい女性だから、
言えなかった。
 

「私、彼と付き合っています。もう2年も。結婚しているなんて、ひと言も言われずに…」
こう言ってしまいたい、けど。
言えたら少しは気持ちが軽くなる?
 
不倫って、難しいと思う。
 
自分と彼以外の、ほかの人の人生を巻き込むから。
簡単に「好き」だけじゃ前に進めない状況が多いと思う。
 
そして、そんな中で、
自分の心のコントロールもしなくちゃいけないから。
 
小説の中では、主人公と奥さんが静かに対面します。

奥さんは何も知らない。
本当に?
本当に何も知らない?

遠野まりこ(Toono Mariko) OFFICIAL

作家遠野まりこ(Toono Mariko)のオフィシャルサイト。「恋は終わったあともまだこんなにせつない」(大和書房)が電子書籍でも人気。また、NFTマーケットプレイスOpenSea(オープンシー)で写真のクリプトアート作品にもチャレンジ中。誰もがNFT作品をつくったり、気軽に購入することができるようになるためには、どうすればいいか考える&日々の出来事サイトです。

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